お互いに同じ手を繰り返すとどうなるの?
きっと、先生が判定してくれるのよ!
ちゃんとルールがあるから説明するね!
先生!よろしくお願いします!
将棋には『千日手』とよばれる特殊なルールがあります。
どちらも攻めるのが難しいときに使うルールです。
たくさん対局していると、たまに千日手になるので覚えておきましょう。
もくじ
千日手とは同一局面が4回出現すること
まったく同じ駒の配置が4回現れると、千日手が成立します。
自分から攻めると負けになってしまうとき、そして相手も同じく攻めると悪くなるときに出現します。
お互いに同じ手を指して、いつまでたっても勝負がつかないときに使うルールです。
このままだと、1000日経っても勝負がつかないから千日手という名前がつきました。
千日手の具体例
画像は石田流対居飛車穴熊の千日手です。
後手が△9二飛と端攻めを狙いましたが、先手が角を引いて受けています。
今度は後手が、△7二飛と7筋の攻めを狙いましたが、先手は▲9七角と7筋を守りました。
このように、どちらも同じ手を指して同一局面が4回現れると千日手となります。
後手の△9二飛という局面が4回現れていますので、数えてみてくださいね。
千日手になると引き分け
大会などで千日手になったら、引き分けにして最初から対局を開始します。
この時、先手と後手を入れ替えて指します。
アマチュアの大会では、持ち時間はそのままの残り時間でもう一局指します。
プロの棋戦では、持ち時間が1時間より少ない場合は特殊です。
少ない人が1時間になるようにプラスして、同じ時間を相手にもプラスしてもう一局指します。
『先手:1時間50分 後手:40分』の場合、
『先手:2時間10分 後手:1時間』で指しなおしになります。
千日手も戦略のひとつ
千日手になると、最初から指し直しになってしまいます。
しかし、それを戦略として利用することもできます。
どんな考えで千日手にしたらいいのか、解説していきます。
後手は千日手を狙うといい
将棋は先手が有利なゲームです。
後手で千日手になったら、次は先手で指しなおしになるのでラッキーと思いましょう。
持ち時間が多くても千日手を狙う
残り時間が多いと指しなおたとき、たくさん考えることができます。
後手で残り時間が相手よりも多いときは、よろこんで千日手にするのがオススメです。
連続王手の千日手は反則
「将棋の反則」の記事でも簡単に説明していますが、連続王手の千日手は反則負けになります。
連続でということがポイントで、途中で王手以外の手を指すと普通の千日手になります。
それぞれ具体例を見ていきましょう。
反則になる場合
画像では▲7一角成で馬になって王手を掛けています。
そして△7三玉と逃げるも、▲6二馬と連続で王手を掛けています。
そしてまた、▲7一馬と王手を掛けました。
この局面が4回現れているのを数えてみてくださいね。
この場合は連続王手の千日手ということになり、王手を掛けている側の負けになります。
反則にならない場合
画像は龍の王手に対して、合駒に持ち駒の金を打った局面から始まります。
それに対して先手は、▲7三金と持ち駒の金を打ちました。
しかし後手も、△8一金打と守ってきました。
先手も▲8二金と金を取り王手を掛けています。
王手になりましたが、その後の△同金に対して王手ではない▲7三金と打ちました。
王手ではない手を途中で指しているので、普通の千日手となり引き分けになります。
まとめ – 千日手は勝負を長引かせないためのルール
いつまでも終わる見込みのない将棋を、指し続けても意味がありません。
将棋だけでなく、他のゲームでも使われるルールです。
囲碁やオセロなどは、盤面に石をどんどん置いていくゲームなので同一局面は現れません。
しかし、チェスは将棋と同じく駒を動かすゲームなので千日手があります。
チェスの場合は、同一局面3回で引き分けです。
さらに、王手(チェック)の連続でも引き分けになります。
まとめ
- 同一局面が4回出現すると千日手になる
- 後手で残り時間が相手より多ければラッキー
- 連続王手の千日手は反則
千日手について詳しくなったところで、他にも将棋のルールを覚えていこう。