歩をいっぱい取ったけど、どうやって使おうかな〜
ちょっと歩の手筋覚えたけど、思い出せないよ〜
先生が歩の手筋と、役立つ格言を教えてあげるよ〜
先生!よろしくお願いします!
将棋では一番弱い駒と言われる歩ですが、使い方がうまくなると棋力は上達します。
歩をうまく使って、駒得したり相手の陣形を崩したりすることができます。
攻めのきっかけを作るのも、歩をぶつけるところから始まります。
将棋には手筋というテクニックがあり、歩の手筋を覚えることが強くなる方法のひとつです。
格言を覚えると、実践でひらめくことができるようになります。
歩の手筋を覚えて、有段者を目指しましょう。
もくじ
歩の手筋を覚えよう
歩をうまく使うためには、手筋を覚えることが大切です。
手筋とは駒をうまく使うテクニックで、歩以外の駒にも手筋があります。
ここでは、歩の手筋に絞って紹介していきます。
たたきの歩
相手陣の駒の連携を弱体化させるときに指す手筋です。
ここで▲4四歩と打ってみましょう。
△同銀でも5二銀と引いても、飛車を打って銀と桂の両取りになります。
一歩捨てることにより金銀の連携がなくなるのが分かりますね。
囲いの連携が崩れると寄せやすくなったり、相手の攻め駒と守り駒の両取りも狙いやすくなります。
焦点の歩
この局面で、▲3三歩と打つのが「焦点の歩」です。
桂で取られると龍で香が取れるし、玉で取られると龍で桂が取れます。
金で取られると、▲3一金からの即詰みです。
継ぎ歩
歩を突き捨てて、持ち駒の歩を使います。
2歩相手に渡すことになりますが、十時飛車などで駒得することができるので有効な手です。
垂れ歩
この局面では▲2三歩と打てますが、▲2四歩と打つのが正解です。
あえて「たたきの歩」をしないで、じっと垂らしておく手です。
力を溜める手ですね。
垂れ歩の狙いは、次に「と金」を作ることです。
ダンスの歩
こちらの歩が踊るというよりは、相手の金銀を踊らせる手筋です。
歩を捨てて、歩を打ってを繰り返すことにより駒得できます。
連打の歩
取られても取られても歩を打ち続けて、相手の駒を釣り上げる手筋を「連打の歩」と言います。
香を釣り上げて、銀で取り返すことで端攻め大成功です。
香を取ったあとは、△3三金と受けられても、取った香を▲2七香と打てば、2筋も突破できますね。
連打の歩は、攻める時だけではありません。
と金を作られ、8筋を突破されても諦めてはいけません。
飛車先を止めて、と金を取っておけば大丈夫です。
合わせの歩
受け一方の相手が、控えて歩を受けたらもうひと押しです。
そんな時に役立つのが、「合わせの歩」です。
3二の駒が金なら、△同歩と取ってくれませんが、次に▲2二歩成、△同金、▲2三銀成で大成功です。
次に、守りのための「合わせの歩」です。
相手の打ち込みを消したり、角筋を意識して▲3七歩、△同歩、▲同金としておくと安心です。
もちろん最後に△3六歩と打たれた時に、▲同金と取れる局面に限ります。
ふた歩
相手の飛車を捕まえる手筋に、「ふた歩」があります。
鍋に蓋をするようなイメージです。
飛車を封じ込めた後は、▲3七金で飛車を取りにいけば駒得です。
中合いの歩
最後の詰むか詰まないかの局面で活躍します。
この局面で、▲8七歩と打つと詰みません。
▲8七歩以下、△同香不成、▲7八玉でどうやっても詰みません。
金底の歩
受けの手筋です。
この歩を打つことによって、相手の攻めを3手遅らせることができます。
終盤で大活躍する手筋ですので、しっかり覚えておきましょう。
歩の格言を覚えよう
実践でひらめくためには、格言を覚えることがオススメです。
歩をたくさん持っているけど、どうやって使ったらいいか分からないときには、格言を思い出すとうまくいく局面も多いです。
ここでは歩の格言を5つ紹介します。
しっかり覚えて、実践で使ってみましょう。
焦点の歩に好手あり
この局面は▲7三歩と打つのが好手です。
金や桂で取るのは、銀を取られてしまいます。
飛車で取るしかないですが、▲8二角と打ち込むことができます。
三歩持ったら継ぎ歩に垂れ歩
金無双の弱点を狙った、継ぎ歩に垂れ歩です。
「うさぎの耳を捕まえる」とも言います。
持ち駒が入れば、一気に寄せることができます。
金底の歩、岩よりも堅し
この鉄壁を崩すためには、3手かかります。
△7七歩、△7八歩成、△7九龍で、やっと突破できます。
この3手の間に自陣を気にすることなく、囲い崩しや詰将棋で鍛えた終盤力を存分に発揮することができます。
終盤はスピードが大切なので、少しでも相手の攻めを遅らせるためにも覚えておきましょう。
5三のと金に負けなし
相手が片美濃でも左美濃でも、5三に「と金」を作ると圧倒的に有利です。
5筋にと金ができるということは、5筋で自陣に受けの歩を打てるという意味でもあります。
5三歩成は攻防の1手になるということですね。
歩のない将棋は負け将棋
持ち駒に歩がたくさんあると、いろいろな手筋を使えます。
「ダンスの歩」や「継ぎ歩に垂れ歩」は3歩持っているからできる手筋です。
しかし、持ち駒に歩がないと合駒すら価値の高い駒を使うことになってしまいます。
攻めにも受けにも使える歩は、とても万能で重要な駒です。
肝心な局面で歩を持っていないと、その対局は負けになってしまいますので注意が必要ですね。
まとめ – 歩をうまく使って初段を目指そう
今回紹介した歩の手筋や格言は、ほんの一部です。
しかし、これだけでも使いこなせるようになると初段の実力はあるでしょう。
もっともっと強くなりたいあなたは、本などで他の手筋も勉強することをオススメします。
この記事が、あなたの棋力向上の手助けになれば幸いです。
まとめ
- 歩の手筋とは歩を使ったテクニックのこと
- 実践でひらめくには格言を覚えよう
- 持ち駒の歩は攻めにも受けにも重要な駒
歩の手筋と格言を覚えたら、こちらの記事に戻って続きを読もう。