相手の王様が詰まなくなっちゃった
これ以上やっても勝負がつかないや
先生が勝敗の決め方を教えてあげるよ~
先生!よろしくお願いします!
持将棋とは、お互いの王様がどうやっても詰まない状況になった時、対局者同士がお互い勝負を諦めて引き分けにすることです。
持将棋を成立させるためには、複数の条件があります。
また、入玉宣言法というルールに従い勝敗が決まることもあります。
入玉宣言法は、有段者でも覚えていない人が多い複雑なルールです。
将棋を始めたての場合、覚えていなくても大丈夫なルールですので、楽しく将棋を指すことを優先しましょう。
全国大会につながる県大会にでるようになってから、覚えればいいでしょう。
もくじ
持将棋のルール
持将棋とは、片方の王様や両方の王様が入玉に成功し、どちらの王様も詰ますことができない場合に適用されます。
極端な例ではありますが、画像のようにお互い入玉していてどうやっても詰ますことができませんよね。
こういう場合に、相手に持将棋にしないか問いかけることができます。
しかし、持将棋で引き分けにするには2つの条件があります。
- お互いの駒の点数が24点以上ある
- お互いが引き分けにすることを同意している
この2つについて詳しく説明していきます。
お互いの駒の点数が24点以上ある
- 王様(王・玉)0点
- 大駒(飛・角)5点
- 小駒(金・銀・桂・香・歩)1点
対局を開始する時は、お互い27点ずつ持っていることになります。
お互いが引き分けにすることを同意している
相手が勝負を諦めない限り、持将棋が成立することはありません。
こうなってしまうと何時間あっても対局が終わりません。
大会運営者も困ってしまいます。
対策として、持ち時間を切れ負けにする所もあります。
しかしすべての大会で切れ負けを採用している訳ではありません。
そこで、入玉宣言法というルールが活躍します。
入玉宣言法のルール
入玉宣言法には24点法と27点法があります。
プロの対局では24点法が採用されています。
アマチュアの大会などでは、絶対に勝敗が決まる27点法を採用しているところが多いです。
それぞれ点数が違うだけなので、まずは共通ルールを解説します。
24点法と27点法の共通ルール
- 宣言する側が入玉している
- 宣言する側の王様以外の駒が敵陣に10枚以上ある
- 宣言する側に王手が掛かっていない
まずはこの条件をクリアすることで、自分の手番に宣言することができます。
1つでも条件に当てはまっていない場合、宣言した側の反則負けになります。
そして、上記でも解説した通りに駒を数えます。
- 王様(王・玉)0点
- 大駒(飛・角)5点
- 小駒(金・銀・桂・香・歩)1点
入玉宣言法を適用する場合は、お互いに合意する持将棋と違って、持ち駒と相手の陣地に入っている駒だけが対象です。
数え間違いで点数が足りなかった場合は、宣言した側の反則負けになります。
しっかり数えてから、宣言するようにしましょう。
次に、それぞれのルールを見ていきましょう。
24点法
宣言する側が31点あれば勝ちになります。
なぜなら盤上の駒は全部で54点なので、31点あると言うことは相手は最大23点しかありません。
24点に達していないので、相手の負けが確定します。
お互いに24点以上30点以下だった場合、持将棋が成立し引き分けになります。
引き分けになったら、先手と後手を入れ替えて最初から対局を始めます。
27点法
先手が宣言した場合、28点以上で勝ちになります。
後手が宣言した場合、27点以上で勝ちになります。
盤上の駒は全部で54点なので、同点でも27点になります。
必ず勝敗が決まるようになっているのが特徴です。
アマチュアの大会では助かるルールですよね。
プロの対局で入玉宣言法の例を解説
プロ棋界での入玉宣言法のルールは、2013年10月より導入されています。
しかし実はプロの対局では、この入玉宣言法での勝利は1局しかありません。
2022年7月18日に行われたマイナビ女子オープン、野原美蘭女流初段と竹部さゆり女流四段の対局で現れました。
これが実際の局面です。
野原美蘭女流初段が、入玉宣言法により勝利を掴みました。
ここで問題です。
それぞれ何点あるか、計算してみましょう。
プロの棋戦では、24点法が採用されています。
分からなければ上のほうに戻って、点数の数え方を勉強しなおしましょう。
下記画像で、青枠とピンク枠で囲われた駒が点数の対象です。
中段の駒は、敵陣に入っていないため対象外でしたね。
野原女流初段 35点
竹部女流四段 11点
まとめ – 最初は覚えなくてもいいルール
入玉宣言法は非常に複雑なルールです。
初心者はもちろん、有段者でも完璧に分かる人は少ないです。
全国大会に出るような人は覚えていると思いますが、初心者は気にしなくても良いルールです。
それよりも、たくさん将棋を指して楽しむことが大切です。
強くなるためには、たくさん将棋を指すことです!
まとめ
- 持将棋は引き分けのこと
- 入玉とは相手の陣地に王様が入ること
- 入玉宣言法は24点法と27点法がある
- 最初のうちは入玉宣言法は覚えなくてOK
- それよりも楽しく将棋を指そう!
持将棋や入玉宣言法について詳しくなったところで、他にも将棋のルールを覚えていこう。